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2019-05-12

筏ますみ

生まれた時は名前はありませんでした。しばらくして、この名前になりました。
あだ名はカカシでした。
片方の足を切り取って、筏を作りました。浜辺から海に出発しました。
陽がカンカンでした。踏切みたいにカンカンでした。お父さんみたいにカンカンでした。
お父さんは筏の後ろでスルメになりました。それが、食料でした。
海の中にはたくさんの食料が泳いでいるのに竿を持ってくるのを忘れていました。
ただ、竿があっても、釣れなかったかもしれません。
なので、スルメをチビチビたべながら、海を進みました。
やがて、無人島が見えてきました。
それが、なぜ無人島であるか分かったかというと、大きく無人島と書いてあったからです。
しかし、少なくとも、それを書いた時には書いた人がいたはずで無人島というのは矛盾しています。正確には、さっきまで無人島、か、もうすぐ無人島、か、どっちかだと思う。
なので、その島には上陸しませんでした。嘘っぽかったからです。
あと、せっかく嘘っぽいのが、私が上陸すると、完全に嘘になってしまうので、申し訳ないというか、少しワクワクしましたが、怖かったからです。きっと罠だと思いました。
なので、その島は通り過ぎました。しばらく行くと、浮き輪をつけて泳いで追いかけてくる何かがありました。何かは、なんで通り過ぎるんだ、ずっと待っていたのに、と言いました。何かはお父さんの声でした。何かは筏に乗ろうとしました。バランスが悪いです。バランスが悪くなりました。もう片方の足で、何かの何かを殴りつけました。すると、何かの何かは何か言いながら、沈んでいきました。浮き輪が遠くにあります。平和の輪だなと思いました。遠くに浮き輪があります。平和の和はちがう字だなと思いました。学校に行った方が良かったかもしれません。でも、学校は過去にはありませんでした。それは未来にしかありません。しばらく行くと、大統領というガソリンスタンドがありました。私は筏であり、ガソリンは関係ありません。しかし、スタンドの名前が気になったし、もしかすると大統領が経営しているか、大統領が店員をしているか、大統領が昼寝をしているか、とにかく大統領に会おうと思いました。大統領はたぶんヒゲを生やしているにちがいない。もしかしてバナナを食べているかもしもません。でも、実際の大統領は不在でした。溺れて死んでしまったそうです。なので、私はたくさんのガソリンを飲んで、腹が膨れました。それは少しにががったけれど牛乳に近い味でした。給食の牛乳というのはこんな味なのでしょうか。お腹の膨れは、さらに、さらに大きくなって、やがて大きな音をさせて破裂しました。ところで、太陽は帽子を被らなくて暑くないのでしょうか。