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MCカスリッパ→abisoourou@gmail.com(先頭のabを削除してください)

2015-04-26

どうぞおいでくだ

目の端々に残るスパゲティの滓やら人工肛門の入り口やら布団に挟まった野ウサギやらドテラを着た童貞やらピンクリボンの騎士やらトクホンの剥がした透明なビニールやらが街角に立っているので、部屋から出る気がしない。張り切った瘤を持つ寡黙な隣人のようにしんみりと過去を追想すると、切れ切れの金魚の糞が浴槽に散らばった入浴の積み重ねではっきりとした体臭も失っている。罪の意識はある。でもそれが現実かどうかは隣人の意見にかかっている。しかし、張り切った瘤ほど隣人の口は饒舌ではなく食卓を囲む時もまた電源の落ちたテレビ画面をじっと黙視している。ブラウン管の色は変わったね。地場が悪いからだ。朝日を引きずって歩くコンビニの店員のマスクの内側にたまった言葉。黙読と孤独の不倫を開始するホイッスルするホテルのこだますロビー。店頭に並んだ終業間際の根菜のしなびた風景のケチくさい喜びが段ボールの地肌に覗いている。やたらに錦糸町にビルが建ち吉祥寺に溺死するカップルが増え、その間に無関係な不届き者が裁定を下すと、俺もブックオフ、俺もブックオフと万年ブックオフの買い取り状態。前世を気にして枝葉を無視して完全な焦
げ目を付けようとフライパン前で待機することで不意に人生の流行の蓋を忘れたと思う。そして、明らかに炭化した。煙となった。最近の火葬場の煙突の不在が非常に残念だ。私は煙突が見たいんだ。